にわにっき ~日記&まんがBLOG~

2021年に関東地方→北海道へ転居した管理人の絵日記や創作&日常まんが、旅行記を公開しています。

【読書紹介】読んで良かった、2023年のベスト約10冊

 

【読書紹介】

本日はまんがではなく、趣味の一つである読書についての記事です。私は毎年、X(旧Twitter)でタグの企画に乗り1年間に読んだ本のベストおよそ10冊をまとめています。今年からブログを始めたので、こちらでも年に1回、本の紹介を書いてみたいと思います(∩´∀`)∩

 

ジャンルとしては小説、ミステリやSFが多めで好みに偏りがありますが、お好きな方はお付き合い頂けると幸いです!

 

目次▼

 

■火星の人/アンディ・ウィアー /小野田和子 訳

去年読んだプロジェクト・ヘイル・メアリーがとても面白かったので作者読みです。SF=難しい、堅苦しいというイメージが覆される、痛快火星サバイバル小説!映画「オデッセイ」の原作ですが、映画の方はまだ未視聴です。今回もジョークのセンスが素晴らしく病院の待合室でニヤニヤしながら読んでしまいました(;´∀`)翻訳者様の力もあるのでしょうね。笑いのツボって意外と世界共通なんだなと思います。

www.hayakawa-online.co.jp

 

■みんなが手話で話した島/ノーラ・エレン・グロース/佐野正信 訳

20世紀初頭、遺伝的に聴覚障害者が多く生まれるアメリカのマーサズ・ヴィンヤード島では、聞こえる、聞こえないにかかわらず誰もが日常生活で手話を使用しており、障害による社会的な制約なく生活していた。社会の在り方によって個人の特性が障害になったり、そうではなくなると考えると、果たしてどこまでが「健常」と言えるのでしょうか。人と人の隔たりや差別のない社会とは何か、考えさせられるノンフィクションでした。

www.hayakawa-online.co.jp

 

ロング・グッドバイレイモンド・チャンドラー村上春樹

村上春樹氏の翻訳本とはとても相性が良く、どの訳書も楽しく読んでいます。するすると気持ちよく頭に入って来る文章は何かしらのお手本のようです。ハードボイルド小説は初の読了で、探偵役のフィリップ・マーロウがとても格好いいですね。どうしたらこんなに格好いいセリフを考え付くのでしょう。。。余談になりますが、ベセスダ・ソフトワークスのゲーム「フォールアウト4」で彼をモデルにしたニックという探偵が出て来るのですが、彼もとても素敵なキャラクターです。

www.hayakawa-online.co.jp

 

■シナモンとガンパウダー/イーライ・ブラウン/三角和代 訳

海賊×お料理×冒険と、これだけ面白そうな素材を集めて面白くならない訳がない!!と期待を込めて読み始めた一冊。そんな思いにしっかり応えてくれた作品で、最後までとても楽しめました。主人公とヒロイン(になるのかな?)はもちろんサブキャラクターも魅力的。今一番映画化・ドラマ化を待ち望んでいる小説です。

www.tsogen.co.jp

 

■あちらにいる鬼 / 井上荒野

ダーティな題材を過剰に美化したり、逆に蔑むこともなく、清潔感ある文章で淡々と爽やかさえ感じるほどに書ききった見事な作品。ファンの方には申し訳ないのですが、みはるのモデルとなった女性に対して、私は以前はあまり良い印象を持っていませんでした。しかし作者の目を通すことで、彼女に対するイメージも少し変わったように思います。物語の力は凄いですね。

publications.asahi.com

 

ノースライト横山秀夫

警察小説が好きで、新作が出る度にチェックしている作者です。今回は建築士が主人公とのこと、入念な取材に基づいているであろう建築関係の蘊蓄は楽しみながら読めました。横山氏の小説を読みなれている人であれば、いつもの横山節と感じる部分も多いかもしれません。しかし作品としては最後まできれいにまとまっており、清々しい読後感を味わえる良作でした。

www.shinchosha.co.jp

 

ノーザンライツ星野道夫

写真家、星野道夫氏のエッセイ本。星野さんの写真が好きで、エッセイも読んでみたく購入しました。本職が写真家の方なので、どうしても写真の方が臨場感あふれる部分はあるものの、星野さんの暖かさや自然と人に対する敬意を通じて、アラスカの厳しく雄大な大地で生きる人々に思いを馳せずにいられない一冊でした。

www.shinchosha.co.jp

 

■氷点(上)(下)/三浦綾子

辰子叔母を除く大人たちの身勝手さに辟易した前半。陽子の前向きさや清廉潔白さに眩しさとそこはかとない違和感も感じ、そしてその違和感を感じた自分自身に対してドキリとさせられた後半。。メロドラマのような展開に興味本位で読み進めると、いつの間にか人間誰もが抱える物語の深いテーマに引き込まれてしまう、強い求心力を持つ作品でした。大人では唯一信頼できる登場人物、辰子さんの気風の良さが素敵でしたね。

www.kadokawa.co.jp

 

小説はここまで。

番外(漫画)血の轍/押見修造

漫画では、ビッグコミックスペリオールで連載されていた血の轍が完結しましたね。漫画は年々読む量が減っているのですが、こちらは結末が気になって途切れ途切れになっても読み続けていました。悲しくも清々しい結末でした。。本音を言えば、静一にはもっと若い頃に救われて欲しかったのですが。線の揺れで描き分けられた登場人物の細やかな感情表現は、本当に上手だなあと思います。感情を芯の部分から揺さぶる漫画に出会うと、ストーリー漫画を描きたいというモチベーションが心の底から湧いてきますね(; ・`д・´)ガンバル

shogakukan-comic.jp

2023年もすばらしい作品に出会えて良かったです。年々読書の時間を確保しにくくなっていると感じますが、来年も楽しく本を読めるといいなあ。

 

年明けの次回はまんがの更新に戻ります!読者登録、またいつもブログを読んで頂きありがとうございます。皆様良いお年をお迎えください。